地がもつ「風」を受け止めて

nonohama271
こんなに鮮やかな花々を見つけました。家の主人はきっとこんなに綺麗に咲いているなんてじっくり見ることはできないに違いない。かつての私がそうであったように。でも、こうして花はそこを行く人に、心の幸せを与えているのです。


 天気の良い、吹き付ける風が心地良い日でした。
 ロードバイクに乗って、その日は、筑波のお山に吸い寄せられるように走り込んでいきました。

 筑波山から南西方面、つまり、関東平野が広がる方角です。
 そこには、桜川という優雅な名を持つ川が作った低地帯があります。現在そこには、見渡す限りの田んぼがあります。そして、桜川が作ったと思われる段丘があって、それが関東平野へと広がっていくのです。
 私の家を始めとするつくばの街の住宅はその段丘の上にあります。

 ということは、筑波山の方へ行く時、私は段丘を走り降りる形になるのです。

 百メートルくらいの距離をなだらかではありますが走り下っていくのです。
 そこでは、ロードバイクのスピードは一気に上昇していきます。バイクにつけているメーターは、時速35キロを超えます。これは怖いくらいのスピードです。道には田植えの際、持ち出された土塊が乾いて、ゴツゴツした状態でいっぱい残っています。アスファルトも田んぼ道なので、でこぼこです。ですから、ハンドルを過てば、転倒し怪我をすることは間違いありません。
 しかし、田植えされたばかりの「みなも」がまだ残る一帯を、風を切って走る気分は爽快そのものです。

 今日の目的地につきました。そこは筑波山の麓になります。
 「平澤官衙(かんが)」という古代遺跡のあるところです。古代の高床式の建物が復元されて数棟建っています。ここは常陸国筑波郡の郡衙の一つで、主として「正倉」と言われる穀物保管庫があった場所と言われています。つまり、税として収められた稲などを保管していたところなのです。
 小高い丘の上にあって、この地の豊かな収穫を記録し、都に送り届ける役目を担った役所の後です。

 その官衙のありようを見て、私はロードバイクに跨ったまま、ちょっと古代に思いを馳せてみました。

 ここで、勤めをしていた古代の役人たちは、この山々に囲まれた小高い丘にあって、他の住民の多くが知らない文字を操り、計算をしていたに違いない。
 豊かな土地、穏やかな気候、食うに困らず、それゆえ、従順である人々にますます働いてもらって、少しでも多くの税を都に送ろうとしていたのだろうと。

 そう思うのは、古代、国の下に位置する「郡(こほり)」での業務は、土地の有力者が多く就いたと聞いているからです。

 滋味豊かなこの土地では、そう思うことが自然なのではないかと、思うのです。

 筑波一帯は大きな災害も少なく、それゆえ、人間が凡庸だということも聞かされたことがあります。
 凡庸か否かはさておいて、土地の持つ雰囲気というのは何百年、何千年と経っても変わらないものではないかなと思ったのです。
 私のように東京から転居してきたものも、いつの間にか、地の人間らしくなります。

 土地というのは、そこに生きるすべてのものを土地に合うようにしていくのではないかと。いや、反対に、生きとし生けるものが土地にあったあり方を目指すのかもしれません。

 そんなことをしばし考え、私はロードバイクのペダルを踏みこみました。

 今度は、100メートルの緩やかであるが、厄介な坂が待っている逆のルートです。
 この歳になるとギアーを落としても、結構大変です。あいにくと、風も向かい風です。一苦労ですが、家に帰らなくてはなりません。

 地の風を真正面から受けて、しゃかりきになってペダルを踏んでいったのです。
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秋の気配

淡い光


 気温16度。ウインドブレーカーを着て,ロードバイクにまたがる。最初の10分が正念場だ。寒さに勝てないとそのまま引き返す羽目になる。堪える。ひたすら堪える。
 時間が経過すると,身体が温まってくる。こうなれば,何ということはない。交通量の少ない大通りを我がもの顔に走る。曲がり角も大きく体を傾けて曲がる。
 一昨日の嵐のため,道路の端には木屑や水たまりがまだある。注意しないとタイヤが浮いてしまう。細心の注意をはらう。誰もいない道で転んで気を失うわけにはいかない。
 朝の運動をする人に会う。目と目があって,軽く頭を下げる。静かな交流だ。
 今朝,走ったのは,イーアス周辺。広い通りが気持ちよく広がっている。
 
 天気予報では,今日は昼間,気温がずいぶんと上昇するという。妻に午後から笠間に行ってみようかと声をかける。何を買うわけではないが,笠間は山に囲まれた緑の街である。特に,陶芸博物館あたりの雰囲気はいい。土浦は今日は花火大会で大混雑。笠間ならちょっとした秋の気配を感じ取ることができると思う。
 
 トンボが家の周りを無数に飛んでいる。ついこの間まで,聞こえていたツクツクボウシの声が聞こえなくなった。その代わり,虫の音が風情をあたりに撒き散らしている。

朝のひと時



 世の中は盆休み,かつ,70年なにがしと,重い話ばっかり。
 そんな中,わたしは4時半に起床し,15分後には,ロードバイクに乗って,つくばの街のあちらこちらに出かけていく。
 釣りに行くときは,3時に起床し,東京湾を目指す。
 朝はすこぶる強い。

 黎明の刻,前と後ろにライトを点滅させ,東大通りを疾走する。たまに,トラックが追い抜いていくが,トラックの運ちゃんは意外と言っては失礼だが,こちらに風圧がかからないように気を使ってくれる。ありがたい限りである。
 昨日は,筑波山の麓,今日は洞峰公園,明日は万博公園,そのほか,平沢官衙,小貝川土手を使って下妻まで,また,桜川土手とコースには事欠かない。

 自宅に戻ると,愛車のトレック・マドンを丁寧にメンテナンス。そして,シャワーを浴びて,さっぱりとしたら,バルコニーで朝刊に目を通す。
 その間に,妻が朝食を支度してくれる。支度と言っても,パンに,オーストラリアから買って来たベジマイトを塗るだけであるが……。
 そして,道の向こうから,研究所の池の滝の音が聞こえて来る。夏場は,蜂も飛んでくる。気にかけないとなにも悪さをすることなく飛んで行ってしまう。

 つくばに転居するとき,ここは生活の場でもあり,余暇を過ごす場でもあると念願して,家づくりをしてきた。今,自由の時を得て,家をふんだんに楽しんでいる。

 さあ,夏の太陽が照りつけてきた。そろそろ書斎に入ろう。

父の手紙

科学の門


 遥かにだいぶ前のことである。
 父が亡くなって,しばらくして,娘たちに父からのハガキが届いた。
 父が,つくばで行われた科学万博で,十年後に配達されるハガキを娘たちに認めていたのである。
 もらった娘たちは,驚くやら,嬉しがるやら,はたまた,悲しがるやら,大騒ぎになった。

 今日,その万博跡地にロードバイクで行ってきた。周辺を車で通ることはあっても,じっくり中に入ってのは初めてである。

 つくばは多くの公園,広い歩道,また,自転車道もあり,気持ちがいい。中には,自転車に寄せてくるマナーの悪い運転手もいるが,大方は,自転車と共存する気持ちを持っている。横断歩道で,人が立っていれば,車を停止させ,歩行者優先を実践する。そういう街のあり方が,次代を担う青年を作ると確信している。こちらが止まれば,反対車線の車も止まる。善の波及効果である。

 動く歩道,小型の携帯電話など,当時出品された実験的産物も今や人皆手にするものとなった。いかにあの万博が日本の発展をリードしてきたか,今更のごとく懐古する。
 
 今,この地に,当時の面影はまったくなし,ただ,歩くのに飽きない道が美しい空の下にある。


チャリで巡るつくば

風情

 昨年の9月28日以来,約7ヶ月ぶりにチャリンコで,筑波山の麓までツーリングをしてきました。体力の不足とあいまって,風も結構あリ,少々辛いツーリングになりました。しかし,これからは中2日で出て行くことも可能ですので,風を受け,景色を楽しみながら,つくばの街を走りたいと思っています。
 ツーリングする時には,サイクル・コンピューターが起動して,2011年の夏から,すべてのツーリングが記録されているのです。ですから,記録を見ると,どこを走ったか,どのくらいのスピード,時間で走ったかが過去にさかのぼってわかるのです。
 実に便利ですが,ふと,思う時があります。
 「自由」に走りたいというのに,自ら,何か制限を加えているのではないかという「疑念」です。でも,これは本当に「ふと」思うだけです。
 やはり,自転車は,何やかやと言っても,「自由」の産物です。
 これを発明した先人は立派だと思います。
 写真のように,筑波山の麓にこのような藁葺きの家があるなんて,クルマに乗っていてはわかりません。「MONPE」なんていう茶店もありました。決して,観光地ではありませんから,村人が集ってくるか,NPOの人が健康食品を買いにくるのだと思います。
 しかし,お尻が痛い,きっと擦りむけていると思います。
プロフィール

nkgwhiro

Author:nkgwhiro
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《6/28  Wednesday》

❣️<Puboo!>にて、『あけゆく空のごとく』を発信しました。ぜひ、お読みください。

❣️<Paper in NY>で、『For the first time, I was facedown in the beach a wave brings near. Very comfortable.第一次,我变成了为波浪涌来的海滨为卧姿。非常心情舒畅』を公開しました。


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