初々しき一礼

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このトマト、サントリーが開発したというミニトマトですが、皮も柔らかく、それに甘いのです。今年の夏、もいではまたなるミニトマトを食べています。タネを保存して、来年も育てようと目論んでもいるのです……。


 私は握手があまり好きではありません。
 相手のベトベトした手のひらの感触が苦手なのです。
 今まで、サラサラした手のひらでの握手というのはほとんどありませんから、向こうが握手を求めてくる気配を感じ取れば、日本風に頭を下げて、お辞儀をしてしまうのです。
 
 オーストラリアに出かけて言って、一番困るのは、彼らが肩を抱きかかえたり、頬を寄せてきたりする挨拶をしてくることです。
 なんのことはない、こちらも腕を相手の体に回して、同じような動作をすればいいのですが、それが照れ臭くてできないのです。
 
 そんな挨拶の場面を興味深く見ることが、先だってのアセアンの会合の場で見ることができました。

 日本の外相が、アメリカの国務長官に対して、にっこりと微笑み、姿勢を正して首をちょこんと下げて、そして握手をしたのです。
 アメリカの国務長官は、これまたにっこりと微笑み、親しげな様子でその挨拶を受け止めたと見て取れました。
 多分、若く、そして、大臣になったばかりの男に初々しさと親近感を抱いたにちがいありません。
 非常に微笑ましい光景ではありました。

 ところが、中国の外交部長との場面ではそうではありませんでした。
 こちらの方に、中国の外交部長への偏見があるせいもありますが、その態度は横柄そのものに見て取れたのです。
 若く、初々しい日本の大臣は、アメリカの国務大臣にしたように、姿勢を正して、一礼をし、そして握手を求めたのです。
 まるで、後輩が尊敬する先輩に対して、あるいは、教え子が恩師に対してするようにです。

 政治の世界でも、どれだけ年数をそこで費やしているかは人のありように影響を与えるものです。そういうことは、スポーツの世界ばかりではないのです。

 日本の外務大臣にとって、アメリカの、そして、中国の担当大臣は「先輩」なのです。
 つい数日前になったばかりの大臣が、先輩の大臣に礼儀を尽くすのは、当たり前のことで、それは日本的でもなんでもありません。

 中国の外務部長も、そうした対応を受けて、随分と気を良くしたに違いありません。
 彼は北京第二語言学院日本学科を卒業し、その流暢な日本語を買われて日本駐在大使にまでなった人物です。
 ですから、日本式の礼儀作法には通じているはずです。
 後輩の大臣が、身を低くして、自分の前に立ち、一礼をして握手を求めてくる、その姿勢に満足をしたはずです。
 それが、あの時の彼の表情によく出ていました。

 日本の大臣が中国の大臣の前で頭を下げるなどとんでもないと批判が出てこないのは、それが我が国の礼儀だからです。
 中国の新聞の一部が、その際の写真を一面に出して、日本が頭を下げたという記事を出しましたが、日本人は誰もそれを歯牙にもかけませんでした。
 礼を尽くすことがいかに大切かを日本人は誰よりも大切にしているのです。
 
 そして、このなり立ての初々しい大臣のありようにも批判をさせないありようがありました。
 中国の外務部長が、会談冒頭、あなたの発言に失望したと述べたのです。

 共産党が支配する中国というのは、態度に裏表のない、率直な物言いをします。
 今回も、中国の支援を歓迎し、友好を謳うフィリピンとは会談を行う反面、アセアンで最も中国に対して批判的であったベトナムとは予定していた会談をキャンセルしてしまうのです。
 意見が異なるからこそ、会談をして、すり合わせをするというのではなく、力でもって相手をねじ伏せるという、いびつな大国主義の発露がそこに見て取れ訳です。

 それゆえ、日本の初々しい外務大臣があなたには失望したと言われただけではなく、あなたにはアメリカから与えられた任務があるようだと、例のいびつな大国主義を発露して、外交の席上では決して言ってはならない言葉をかけられても、冷静でいたことは評価に値するのです。

 さらに、この大臣は、南シナ海での日本政府の言い分を披瀝したばかりではなく、中国外務部長に、あなたの国は大国なのだから、大国らしく振る舞う作法を身につけなさいと釘まで刺したのです。

 これが、国内での中国外務部長に対する一礼への批判が起こらなかった大きな要因であるのです。
 そればかりではなく、中国のつんと澄ました外交部長の鼻っ柱を叩いたのですから痛快ではあります。
 さすがの外交部長も苦笑いをするしかありませんでした。

 外交は、言葉による戦いです。
 かっとならずに、相手の言葉を懐深く受け止めて、何気に相手に一言をお見舞いするのです。
 
 というわけで、久しぶりに、痛快な対中国外交を目にして、気分は爽快になった次第ではあります。


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