ご先祖様を見習って!

3p8u4qan,sanhft 4i7687qhf
ゴールドコーストは秋です。季節の変わり目です。穏やかな海が荒れ狂っています。こんな大波が、あの美しい海岸に押し寄せているというのです。なんでも変わり目というのは大騒ぎになります。そう、つくづく、思うのです。


 樹上生活をしていた頃のことです。
 いや、私がではないです。
 人類が、樹上生活をしていた時のことをお話ししようと言うのです。

 こんなもってまわった言い方をされると、少なからず、ストレスを感じる方もおられるのではないかと思っているのです。

 私のこの文章をお読みになっている方の中にも、会社で、あるいは、家庭で、思い通りにいかないことでストレスを強く感じているということがあるかもしれません。

 いや、必ず、人はストレスというものを抱えて生きている存在であると私は思っているのです。
 なぜなら、いかなるレベル、立場であろうとも、そこにはそのレベルの、立場のストレスがあるからです。

 とある工場で、労働者たちが事務所にいるホワイトカラーに対して、お前たちは日がな座ってばかりで、楽でいいなと悪態をついたのです。
 すると、ネクタイを横にだらしなくずらした初老の男性が赤錆びた鉄の何の変哲もない階段を降りてきて、その労働者の肩を親愛の情を込めて叩いて、俺たちには俺たちの辛さってものがあるんだよと言ったのです。
 散々に悪態をついたその労働者もばかではありませんから、それきり悪態をつくことをやめました。
 
 社長だからストレスの一つもなく、気楽にやっているかといえば、反対です。
 ストレスだと喚き散らす人の数倍も、数十倍も、時には、数百倍ものストレスを抱えているのです。
 
 さて、このストレスというもの、樹上生活をしている人類にとっては、生命の危機が如実に迫ってきた時に起こったと言います。

 危機を察知した樹上生活の人類の体には、その時、ストレスホルモンが一気呵成に分泌されます。
 そのため、肉体の隅々にまで行き渡る交感神経が高揚し、私たちの祖先は戦いの準備を始めるのです。
 心拍数を上げ、血圧も一気に高くして、瞬時の動きに備えるのです。
 心拍数が上がり、血圧が高くなった筋肉は、次の行動に対応できるまでその能力を高めて行きます。
 そして、危機がそこで起これば、枝から枝へと身を翻し、有利な位置に自分を置くことができるようになるのです。
 危機がされば、ストレスホルモンはすっと引いて行くのです。

 源平が争っていた時でも、戦国時代のいくさの時でも、いや、先の大戦で私の世代の父親たちが戦った戦いでも、侍や足軽たち、兵士たちは、自らの危機的状況の中で、このストレスホルモンを信じられないほど放出して、自らの肉体に隅々まで、その交感神経にホルモンを行き渡らせ、「戦闘モード」を作り上げて行ったのではないかと思っているのです。

 戦争のない時代に生まれ、生きてきた私たち世代には、およそ見当のつかないストレスホルモンの発散状況ではあります。

 その代わり、スポーツ観戦で、競馬で、宝くじで、幾分よこしまなストレスホルモンは発しているかとは思います。

 また、私たちの世代の人の中には、ゲバ棒を持って、戦国時代さながら、機動隊とぶつかった人もいるかと思います。
 混乱に乗じて石ころを投げるのではありません。
 明確に戦う意思を持って、ゲバ棒を構えるのです。
 きっと、あの時の若者たちは、止むやまれぬストレルホルモンのほとばしる発散を受けて、あの場にいたに違いないと思っているのです。
 
 樹上生活をしていた我らの遠い祖先も、槍を手にして敵陣に突っ込む戦国時代の雑兵も、ヘルメットを目深にかぶり、圧倒的な軍事力のアメリカ、あるいは、ソ連に立ち向かって行った日本兵も、考えてみれば、そのストレスは戦闘状態という極めて一時的なものでした。
 
 その強烈な緊張感に中に身をおくことは、攻撃に及ぶその刹那のことにすぎなかったのです。

 敵の一撃を受けて、死を迎えれば、それは仕方のないことで、どうすることもできません。しかし、運良く、生き残れば、つまり、大量のストレルホルモンを発散させて、何とかその危機を乗り切れば、彼らの肉体は安定的状態に戻るのです。

 しかし、戦争もない、命をかける場のない現代人はというと、そのことを喜んでばかりはいられないのです。

 なぜなら、会社で、あるいは、人間関係で思い通りにならないことでストレスを感じている現代人は、「日常的」にその激烈なストレス環境に自分をおいているということに他ならないからです。
 いくさ場で「瞬間的」にストレスホルモンを発散させて戦闘的高揚感を得るのではなく、その激烈なホルモンを「恒常的」に、それも長期に渡って受け止めているからです。
 
 私たちの体は、私たちが意識しない中で、日々、がん細胞を発生させていると言います。
 
 私の腎臓にがんが見つかった時、腎臓は二つあるから一つ取ってしまいましょうとさりげなく言う医師の言葉に私はびっくりしてしまいました。
 部分的にとっても、悪性の細胞はどんどん増えます。だったら、二個あるうちの一個はすべて取り去り、綺麗さっぱりした方がいいのですと言うのです。

 結局は、それに同意したのですが、その先生、こうも言ったのです。

 もうお仕事終えられたんでしょう。
 ストレスも大分なくなりますでしょうから、これまでストレスで潰されていた免疫細胞もこれからはどんどん力をつけてきます。そうしましょうというのです。

 ストレスホルモンは、敵に対するため、体に異物が入ってくるのを防ぐ免疫細胞を抑え込んでしまうというのです。その分、戦うために必要な部分にホルモンを行き渡らせるのです。
 仕事でストレスを感じることがなくなれば、毎日毎日作られるがんの細胞も免疫細胞がやっつけてくれますから安心です、と。

 会社勤めし、世の中であれやこれやの問題に直面している方々は、そうもいかないのが現実です。
 どうぞ、お気をつけてください。

 ご自分のお身体は、ご自分で守るのが、樹上生活をしていた頃から、ご先祖がなさってきたことです。
 
 戦場で、自らの命を賭して戦ってきた侍や兵士たちもまた、瞬間的に高まるようホルモンを調整してきたのです。
 現代人も、そうすべきなのです。

 一日二十四時間、ストレスホルモンを出し続けないよう、ご先祖様を見習ってください。
 私たちの本当の戦いの場を見誤らないように!




コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

nkgwhiro

Author:nkgwhiro
ご機嫌いかがですか。
ご訪問
ありがとうございます。

《7/16 🔔 Monday》

🦅ただいま、<Puboo!>にて、『落ちた椿の花 』を発信しています。

<人は空想することを許された唯一の動物です。二足歩行とか、脳が大きいとか、火を恐れないとかより、空想することが、人と動物を分けていると言ってもいいかもしれません。本作品は、ブログ的短編作品ともいうべきものです。>

パブーにアクセスして、読むことができます。 ダウンロードもよろしくお願いします。

❣️<Twitter>では、『ものかき』として、朝と晩『つくばの街であれこれ』の更新情報をつぶやいています。下の[リンク]欄からアクセスができます。よろしくお願いします。

⏬下の[リンク]欄から、歴史小説『一門』『福明と李福』、旅行記『ポーツマスの旅』、また、<水彩画>など、<nkgwhiro>の創作活動にアクセスができます。  

皆様のアクセスを心よりお待ちしております。🙋‍♂️

リンク
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
フリーエリア