亡国の兆しがそこに

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ファンタージーです。でも、水郷公園というところにこうしたモニュメントがあるのです。それを移しただけなのですが、それでも、夢のある図であると思っています。懐かしい、あの時代の。


 会社も、学校も、そして、国家も、それが衰退し、滅びていくのは、実は外敵によってよりも、内部の怠慢によって発生する不測の事態からであることは、これまでの人類の歴史を見れば、自明の理であります。

 今から150年前の日本と中国を見て見ます。

 日本は徳川幕府が、中国は清朝が国を支配していました。
 規模の大小はありますが、ともに古い体制下での封建支配です。
 徳川幕府は、鎖国を国是として、士農工商に身分を分け、狭い世界での安泰を願っていました。
 清朝は、いうまでもなく、満州族の国です。圧倒的多数者である漢族の文化を吸収し、言語も、文字も、漢族にならい、漢族の有能な官吏を使って、強力な中央集権で国を維持していました。

 ともに、<権威>を重要視し、体制の維持をおこなって来ていたのです。
 
 徳川幕府にはアメリカが、清朝にはイギリスがアクセスしてきました。
 富を蓄えた二つのアジアの国に、欧米の二大強国が食指を伸ばしてきたのです。

 その後の様相はといえば、それは大きく異なるものでした。

 君主を抱く帝国主義イギリスとそのイギリスに勝って人民の選挙によって指導者を選ぶアメリカとの違いももちろんあります。
 しかし、もっとも、大きな違いは、中国にはこの危機を打開する有能な君主とそれを支える人材がいなかったということであり、日本には、王政復古し新しい日本を作らんとする明治帝とそれを支える有能な人材が綺羅星のごとくいたという違いに行き着くのです。

 それは、その後の日清の戦争にも顕著に表れてきます。
 国の力が強大で、強力な艦隊を誂え、これ見よがしに日本各地の港に派遣し、威嚇しても、それを扱いこなす鍛錬と技術がなければ、また、国を思う気持ち、指導者を敬う気持ちがなければ、まさにそれらの艦船は張り子の虎であるのです。
 少ない艦船を寄せ集め、「連合艦隊」なるものを編成し、石炭をこれでもかと使い、実戦の時の弾はどうするのかと心配するほど訓練で弾を撃ち、一発必中の技を得て、さらに、指導者への敬意を持ち、国を思う気持ちがあった国が勝ったのが、あの明治の戦争であったのです。

 昭和になって、驕り高ぶり、彼我の経済を無視し、精神論だけで戦おうとしてもそれは無理な話です。しかも、敬愛を受けるべき軍人が横柄になってしまいました。
 日本が対米戦で勝利を得ることができたのは、四年余にわたる戦争の中でたったの六ヶ月です。
 周到な準備と一騎当千の兵士たちが戦ったその六ヶ月です。

 彼らはこれからのいくさは船にあらず飛行機であることをそれぞれの戦闘で実証したのです。

 明治の指導者であれば見落とさなかったこの事実を、昭和の指導者たちは目をつむったのです。自らの「権威」を重視するばかりに、理解の想定を超えた現実を無視したのです。
 それを察知し、一気に変化を捉えたのは、何を隠そう日本と戦っていたアメリカでした。
 有能な大統領と綺羅星のごとく輝く優秀な人材です。

 何より、彼らは自分の判断を重視した優秀な人材でした。
 
 たとえば、ミッドウエイ海戦に先立ち抜擢されたスプルーアンス提督は、オアフの海軍病院に入院中のハルゼー提督にどのように戦ったら良いかを教えを乞います。
 ハルゼーは、あなたの好きなように戦えば良いとアドバイスをするのです。
 自分で考え、自分のやり方で戦えと、そうすれば、勝てると。

 ハルゼーは、日本海軍の命令系統が堅苦しいことを見抜いていたのです。

 明治の提督は、それが国際法違反だと自己判断すれば、躊躇なく砲を放ち撃沈しました。
 昭和の提督は、それができなかったのです。
 卒業年次、卒業席次がものをいういびつな軍の組織になっていたのです。

 21世紀の初頭の今、世界の現状はどうでしょうか。

 世界は、まさに対立軸を求めています。
 ロシアに対しては欧州各国が危機感を募らせています。それもそのはずです。平然と卑劣なテロ行為を行使し、それはロシアの行ったことではないとうそぶくのです。さらに、サイバー攻撃を仕掛けてくるのですから、対立軸を明確にして取り組むのはもっともなあり方です。

 中国の強引なありように対しても、日本政府は忍耐強く対応し、アメリカは軍事的優位性を持って対応をしています。
 インドは日本と違って忍耐を持つことなく積極的に戦って行こうと方向性を明確にしています。
 オーストラリアも、フランスも、イギリスもようやく、中国の国のあり方の危険性に気がつき始めて来ました。

 ここに、もう一つの対立軸が生まれて来たのです。

 そうした時代にも関わらず、日本のリーダーとも言える人たちは何をしているのでしょうか。
 セクハラに、不適切な関係、隠匿と、まさに亡国の兆しともいうべき振る舞いに興じているのです。
 日本の未来を定める国会では、長期にわたり、どうでもいい問題で時を費やしているのです。

 明治人が持っていた、あの視点を失ってしまっていると思わざるを得ないのです。

 危急存亡の折には、原点に戻れと言います。
 あの視点です。
 我らがこの150年の原点はといえば、その視点といえば、たった五つの言葉であるのです。

 一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ
 一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フべシ
 一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
 一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クべシ
 一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スべシ
 
 ここには、危急存亡を脱する秘策が込められていると思っているのです。




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