新しい日の丸を

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つくばの街の北に、真壁という古い街があります。3月になると、通りに面した家々が古くからある雛人形を飾り、この辺りでは結構有名で活気ある行事になっています。そのおり、とある民家の階段におかれていた雛人形を描きました。


 来年の今日という日。
 新しい天皇陛下が即位し、新しい年号の時代が始まっているんだと、ウッドデッキに掲げられた日の丸と見て思ったのです。

 うららかな日和です。
 こうしてウッドデッキで、鉢花に囲まれてのんびりしていると、本当に平穏だと思います。
 そして、今を盛りに咲き誇るモッコウバラの黄色い花の中に掲げられている日の丸を見ていると、一層、平和な気持ちになるのです。

 来年の4月30日、今上陛下の「退位礼正殿の儀」が執り行われ、翌5月1日、皇太子さまの「剣璽等承継の儀」、引き続き「即位後朝見の儀」が行われての翌日が今日なのです。

 年号も一新、天皇陛下も皇太子につつがなく受け継げられ、日本がわずか二日の行事で大きく変化するのです。

 思えば、「昭和」の前半は、まさに戦争の時代というにふさわしい時代でした。
 第一次大戦終結のちょっとしたボタンのかけ違いで、国際情勢はちぐはぐな動きを示し始めました。その中で、日本は胸をはって、アジアの盟主として振る舞い、孤独の中で大見得を切っていました。

 私たちの一世代前の日本人はまさに命をかけてその中で戦って来たのです。
 
 戦後、失うものは何もないと言う状況の中で、私たちの世代は生まれ育ちました。
 なんやかやと言われながらも、懸命に勉強し、懸命に働いて来たのです。こんなに働き、こんなに成長を遂げた国民は世界史上稀に見る国民であると私は思っているのです。

 さらに、日本は70年以上も戦争をしていない、これまた世界史上稀に見る国になっているのです。

 1988年は、昭和63年になります。
 この年の9月、昭和天皇が吐血し、倒れあそばしました。そして、翌年の1月7日御崩御なされるのです。
 戦争と平和の「昭和」は終わったのです。

 「平成」は、司馬遷の『史記』にある文言「内平外成」、それに『書経』にある「地平天成」を元に、<国の内外、天地に平和が達成されん>という意味を込めて作られました。
 平和が続くようにとの思いが込められて、「平成」はあり、その点ではその思いはある程度達成されたとして良いのではないかと思っています。

 その年号を不要だと言う方がおられます。

 グローバル化の中でほとんど使われることのない年号です。確かに、不要と意見を述べられる方の気持ちもわかります。
 でも、やはり、年号は必要な意味を持っていると思うのは、きっと、私だけではないはずです。

 歴史的には、世の中に不穏な出来事があったり、自然の災害で大きな被害があった時など、それらを払拭するために、年号はしばしば変えられて来ました。
 歴史書を読んでいると、誠に煩雑にして、厄介なのがこの年号です。

 でも、だからこそ、年号の持つ意味合いがそこにはあるのだとも思うのです。

 保元・平治といえば、日本の政治体制を大きく変えた騒乱の時代を想起させますし、元禄といえば、絢爛豪華な文化が花開いたことを私たちに知らせてくれます。

 きっと、五百年先、千年先の人々は「昭和」と聞いて、世界を相手に戦争を行った誠に雄々しき時代と思うのか、それとも、無辜の民を死に追いやった愚かな時代と評するのか、ぜひ知りたいと思っているのです。

 保元平治以来の「武者の時代」を覆したのが何を隠そう「明治」という時代です。
 
 慈円のいう<むさのよ>が果てしなく続き、天皇親政の時代をあれから700年余りも経て取り返したのが「明治」の元号の時代なのです。
 この700年と言う数値を出すには西暦でなくてはなりませんが、より日本的に感じ取るには、保元であり、平治であり、明治でなくてはならないのです。

 確かに、日本はあの「明治」の時代に、思い切った改革を行いました。
 それが他のアジアの国々と異なるところです。 
 明治の<維新>なるものを推進した武士たちは、自ら刀を捨て、髷を切り落とし、特権を捨てたのですから偉いものです。いまだかって、そのようなことをした<革命>なるものを私は知りません。
 その偉さがあったからこそ、いまの日本があるのです。

 日本を代表する学者の方々が、さぁどんな新元号を出してくるのか、今から楽しみで仕方がないのです。

 来年の今日、私はきっとウッドデッキに腰掛けて、モッコウバラの満開の中で風に揺れる日の丸を見ているにちがいありません。
 そうだ、その時は、日章旗をもっと大きく新しいのにしよう、そんなことをのどかな陽射しを受けながら思ったのです。




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たいしたことではないのですが、その出会いや言葉が、生涯を左右する生き方に反映されていることに気がつくのです。
そして、自らの、他者に影響されない、あるいは、政治的に作用されない、自分だけの風を見出すことにつながっていくことにも気づくのです。
我は我、我が人生は、我が内に吹く風によって決するのであって、流される風に左右はされないという域に達するのです。>

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