ちょっとしたことで時空が違っていたら

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ブロードービーチからサーファーズパラダイスを望んだ時、海の上に高層ビル群があるかのような錯覚を覚えました。実に、印象的なそれは光景でした。


 いつものように、私は天気予報を見るために、テレビのスイッチを入れました。
 
 「おはようさんどす。いかが、お過ごしやすか。」
 いつものお天気お姉さんが、今日はちょっと変わった言葉で天気予報を伝えています。
 いや、その後のニュースでも、いつものアナウンサーが京言葉を使っているんです。
 「おはようさん。今日のニュースをお伝えしまっせ。」と言い、ニュースの終わりには、「今日も、えらく気温が上がりまっせ。どうか、おきばりやす。」なんて言っているんですよ。

 寝ぼけているのかなと不思議に思って、チャンネルを他局に切り替えて見ます。
 ドラマをやっています。今をときめく若くて美しい女優さんが出ています。
 
 「ほんにおいしおすな」
 料理屋で、横に友人がいて、食事をしている場面です。
 「オカボやらこーておいしーわ」
 「味がよーしゅんでおいしいなぁ」
 
 おや、京都を舞台にしたドラマかなと、また、チャンネルを変えます。今度は子供向け番組です。

 「さあ、みんなこちらにおいでやで。今日は、歌を歌うで。誰がおっきな声で、おっきなお口を開けて歌えるかな。」

 どの局も、皆、言葉が変です。

 私は新聞を広げました。
 「日本、北朝鮮に依然として強硬姿勢」
 見出しは、なんともないが次の文言を見て、私は驚きました。
 「首相、時間稼ぎは許さな述べる」

 私は混乱をしました。
 「こらおかしい、皆、京都弁になってん。」
 そう思ったのです。
 おや、うちも京都弁で考えてんちゃうか、と私は私の思考回路が京都弁になっていることに驚いてしまったのです。

 そんな馬鹿げたことを今朝の私は空想していたのです。

 家のまえの通りを通り過ぎる車も少なく、なくてもいいところにある赤信号のせいで、我が家のガレージの前まで渋滞する車が今朝はありません。
 東と西の大通りも、わたしは、先ほど、トレックのマドンに乗ってすっ飛ばして来たところです。普段だと、ダンプとか乱暴な運転をする車に寄せられて怖い思いをするのですが、今朝はど真ん中を何も恐れずにすっ飛ばして来たところです。

 そんなまったりとした休日の朝、明治のあの時代、政治とか経済とか、そんことばかりではなく、国の言葉を決めるにも一悶着あったに違いないと思ったのです。
 なにせ、日本国の言葉は、方言で、満ち満ちていましたから。

 津軽の人間の言葉などたいていの人が理解不能です。理解不能だから笑うしかありません。

 だから、江戸幕府も、明治政府も、言葉に対して、共通に理解できるよう対策をとっていたはずです。
 それこそが、江戸の言葉です。

 江戸の言葉といっても実に大まかな分類です。
 しかし、百万都市となっている江戸には諸国から様々な人間が集まり、生活をしていましたから、その人たちが江戸に残るにしても故郷に帰るにしても、皆にわかる言葉として、江戸の言葉は流布定着していったにちがいない言葉であったのです。

 山の手の武家言葉、下町の町人言葉、それに花魁の喋る花街の言葉、それらが明治の時代、我が国の共通の言葉、標準語に定められていったのです。

 しかし、あの時代です。
 天子様が政を行う時代になったのだからと、これからは京の言葉を使うようお達しがあっても不思議ではありませんでした。
 そうなれば、先ほどのように、テレビもドラマも、日本全国で、京都の言葉が喋られ、日本人は誰しも京都の言葉で哲学するということになっていたのです。

 私は東京生まれで、今は、茨城のつくばに暮らしています。

 よく、「ひ」と「し」の発音が混同しますから、きっと、東京の言葉が根っこに根ざしているのです。
 自分の名前「ひろし」が言えないのですから、それに、パソコンで調べ物をしていて、なかなか出てこないと思っていると、発音を取り違えているのですから「やになって」しまいます。

 つくばの地の人の言葉では「え」と「い」の混同し、私はそれを笑います。
 「あんたはイライ」なんて言われて、バカにすんなと不機嫌になります。
 それだけ、私たちは生まれ育った土地の言葉が根付いているのです。

 それが時代のあおりで、京の言葉を標準の言葉にするなどと政令が出てもおかしくはないと。

 でも、千年の都、京都の言葉ならまだしも、天下を取った薩摩人が薩摩の言葉をと、強硬に主張しなくてよかったと思っているのです。
 <ニュースをお伝えすっ。
  五万人が海外に休暇を楽しみに出ちょっ。
  こんたこれまで最高ん渡航者数になっ。
  さぁ、あたはどけお出ちょっか。
  おいどんは今日もこうしてニュースをお伝えしちょります。>ってね。




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<人との出会い、かつて親から買ってもらった一冊の本、あるいは、書店で目にしたそのページの言葉が、心に残るってことがあります。
たいしたことではないのですが、その出会いや言葉が、生涯を左右する生き方に反映されていることに気がつくのです。
そして、自らの、他者に影響されない、あるいは、政治的に作用されない、自分だけの風を見出すことにつながっていくことにも気づくのです。
我は我、我が人生は、我が内に吹く風によって決するのであって、流される風に左右はされないという域に達するのです。>

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