動揺のライン

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東京湾に夜釣りに行きます。釣りをしていると、何も釣れない、生命反応のない時間帯というものがあります。そんなとき、海からみる夜景は美しいものです。だって、海の上から地上を見るなんて、普段は見ることのできない光景ですからね。



 私のiPhoneが、しゃれた電子音声で、オーストラリアからのラインの着信を伝えてきました。

 生まれて半年が経とうと言う孫娘がとんでもないものを食べてしまったというのです。
 兄であるまだ幼稚園に通う孫がキャッキャッ言いながら、まるで喜んでいるそれは姿であったのです。
 よく話がわからずにいると、娘が画面に出てきました。

 娘の家の玄関のところによくヤモリが出るんです。その一匹が死んでドアの隙間にいて、もう干からびて、掃除機でも取れないのでそのままにしていたのだそうです。
 それを這いずり這いずり玄関まで行って、手でつまんで、孫娘が口に入れてしまったというのです。
 幼稚園に通うもう一人の孫がそれを見ていて、<LALAがゲゴを食べている>と思ったのですが、しばらく見ていて、それから娘に大変だと知らせたと言うのです。

 ゲゴと孫たちが呼ぶ干からびたヤモリは頭だけを残して、LALAと名付けられた孫娘の胃の中に入って行ったのです。
 そんなこんなで大騒ぎをしたひと時であったというのです。
 まぁ、あの手の動物はきっと滋養の薬にもなるんだろうから、大丈夫だと人ごとに言っておいたところなんです。

 それにしても、二番目の子というのは大胆であると、長女の次男坊のいたずらぶりと合わせて思ったところでした。
 きっと、おっとりとしたGOKUと名付けられた孫は、数ヶ月後にはこの妹の手玉に取られるのではないかと心配をしているのです。

 そんな早朝のラインを終わって、私は、朝のロードバイクにまたがりました。
 車の少ない休日には、早朝の一仕事を終えて、街に繰り出すにはいい天気になりました。

 タイヤの空気圧は、いつもは80気圧にして、出かけるのですが、ラインが長引いて、まぁ、いいかと端折ります。
 今日はさほど遠くに行く予定もありません。10キロ以内で、つくばの街を走るだけです。筑波大学を経て、ちょっと先へ行くだけです。

 そこに、油断の気持ちがすでにあったのです
 
 服装も、ちゃんとしたロードバイク用のものではなく、いい加減な服装です。ヘルメットだけは被りましたが、そこらあたりにも油断の気持ちがありました。

 休日の道は本当に空いています。
 普段は、車の走ってくる音に驚かされ、意地悪いドライバーに車を寄せられておっかなびっくりで走るのですが、今朝は、二車線の大通りを、その真ん中の轍もない綺麗なアスファルトの上を、誰に文句も言われずに時速23キロで疾走します。

 東大通りから西大通に抜けて筑波大学構内に入ります。
 大学も休みでがらんとしてします。普段はバスがしっきりなしに走っているのですが、その影も形も見えません。
 構内のきれいに舗装された道、これが適度なカーブになって延々と続くのです。
 そこを姿勢を低くして、ペダルを必死にこいで、速度をあげます。

 よかったのはそこまでです。
 ヘトヘトになって、当初よりの油断もあり、私は、家路に着く途次、あろうことか、砂利道に入ってしまったのです。普段なら、引き返すか、ロードバイクを降りて引くのですが、油断というのは恐ろしいものです。普段、やっていることができなくなるのです。

 この日は、乗ったまま砂利道を走ってしまったのです。
 何か不自然さ、そう、違和感なるものを感じたのです。
 アスファルトの道に出ると、それまでの乗り心地ではなくなっています。
 後ろのタイヤがパンクしていたのです。
 私は2キロばかり先にある自宅まで自転車を引いて帰ったのでした。

 パンク修理などやったことのない私です。でも、筑波山や霞ヶ浦に出かけてパンクしたら歩いて帰るというわけにはいきません。
 思い切って、自分で修理することにしたのです。
 タイヤを外します。パンクしたチューブを取り出します。ここまで順調にいきました。しかし、新しいチューブがどうしても入らないのです。

 格闘二時間、諦めました。

 私は後輪のタイヤを車に積んで、トレックの店まで出かけて行ったのです。
 店長さん、いとも簡単に、ものの1分もかけずにチューブを入れるではないですか。そして、言うのです。随分、格闘したようですね。この新しいチューブ、ほら、ここ破けていますと。
 私は、思い切り、チューブをねじ込んだので新しい990円もするチューブを破いていたのです。

 修理が終わり、帰宅して、早速、ロードバイクにタイヤをはめ込んで、私は、ゴールドコーストにラインをしました。

 GOKUと言う名の孫に、LALAが何かを食べていたら、見ているんではなくて、すぐに止めるか、ママに知らせなくてはいけないよと。
 GOKUは、私の顔を見て、真剣な表情をして居ます。
 ことの重大性をどうやら分かっているようです。

 このとき、私は、私のロードバイクが私の不注意でパンクしたのは、きっと、私の油断ではなく、LALAがヤモリを食べたと言うことでショックを受けての、突発的な出来事であったのかもしれないと思ったのです。

 滋養だと冗談をかましていましたが、きっと、内心では慌てふためいていたに違いないのです。

 それが、私をいい加減な服装で走らせ、空気圧も少なめで、普段は走らない砂利道を走らせたに違いないと思ったのです。
 その後、LALAは何事もなく安心はしました。

 しかし、GOKUの落とした食べ物を床を這いずり回りながら食べていると言います。
 一体全体、どんなGIRLになるのだろうかとまたひとつ心配のタネが増えたようです。

 ロードバイクで事故だけは起こさないよう、オーストラリアからのラインには気をつけようと思っているのです。




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気をつけなくてはね

sara2sara22 さん

いつもありがとうございます。
本当に、なんていうものを食べてしまうのでしょう。
小さな丸い電池や、おもちゃの部品など、心配なことです。

では、失礼します。

No title

こんにちは。

美しい海の色ですね。

それにしても、LALAちゃんは逞しいですね。
あまり神経質すぎるよりはいいですが、金属類は口に入れないよう気を付けた方がいいですね。

可愛いけれど、心配は尽きないですね。

事故を起こさないよう気をつけてください。
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