茶碗でご飯を食べる

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浅草に出かけた時です。浅草寺を歩いていて、ふと振り返ったら、こんな光景が見えたのです。月があり、スカイツリーの先端が見え、京都の友人曰く仁和寺のそれに似ていると言う五重塔が。


 私、意外なことに、箸には凝っている方なのです。

 とは言っても、ただ、できるだけ細い形態の箸が好きと言うだけなんですが。
 お茶碗には特別なこだわりはないのですが、先日、とある記事に、ご飯を食べるのに、何故、  「茶碗」と言い、「飯碗」とは言わないのかとあって、もっともだと思った次第なのです。

 茶碗とは、文字通り、茶を飲む「碗」です。
 辞書では、元来は茶の湯において用いられる茶を淹れて飲むための碗を指す語。近年では広く陶磁器製の碗を指し、 現代の日本において「お茶碗」と言った場合には飯茶碗を指すことが多いなんて面白くもない解説が載っています。

 私たちは食事をする際、あまりにも知らなすぎることが多いのではないかと、お茶碗の不思議を考えながら、思ったりもしたのです。

 学校では、一時期、生徒たちにテーブルマナーを学習させるというので、ホテルで洋食のマナーを勉強させたことが流行りました。流行ったというより、その手の業者の戦略に日本全国の学校がのったといったほうがいいかもしれません。
 ともかく、日本人でありながら、和食、とりわけ、懐石のマナーについては学んだことの記憶は非常に少ないのは事実です。

 せいぜい、大人になって、えらい上司に連れて行かれた料亭で遠慮しながら、箸をつけた程度だとは思います。

 私は、最近はすっかりといかなくなりましたが、よく出かけていたフグ料理の店がありました。
 手頃な値段でフルコースを提供してくれるので、娘たちや職場の仲間を誘って出かけて行ったのです。その店の女将がなかなか学者で、蘊蓄を傾けてくれるので、面白おかしく聞いていました。

 例えば、つま。
 最も、ふぐ刺しでは「つま」らしいものはありませんから、どんなシチュエーションでその話が出たかは忘れましたが、女将が言ったことは覚えているのです。
 
 つまは刺身の盛り付けを引き立てるものよ。
 大根など千切りにして、切り身をそこに飾るの。奥を高く、手前を低くして盛り付けるの、それを「山水盛り」って言っているのよ。
 切られた魚の切り身だけ出されてご覧なさい、面白くもおかしくもないでしょう、でも、つまがあることで、単なる切り身が芸術的豪華さを伴うのよ。
 
 なんて、嫌味も感じることなく、さらりと言うのです。

 ふぐ刺しには、でも、つまは必要ないわ、この有田焼の皿に描かれた模様が薄造りのフグの身を通して見えることが大切なの、それに菊の花のように盛られたフグが綺麗でしょう。皿が出されて、すぐに箸で掬うなんて無粋なことしなさんな、一度鑑賞して食せば、それこそ醍醐味というものよ、って付け加えるのです。
 
 そして、もう一言。
 この赤いおろし、「もみじおろし」って言うの。
 大根に唐辛子を差し込んで、一緒にすりおろしているのよと、自慢げに言います。

 さらに、大好物の唐揚げを出してくれるときには、いつも、こう言うのです。

 「もう、覚えているわよね。これな〜に。」と芽生姜を甘酢につけた薄桃色をしたものを問うてくるのです。
 物覚えの悪い私はいつも口に出なくて、女将に一本とられるのです。
 「はじかみ、また、忘れちゃったのね、半分だけ噛むから、はじかみ。」
 そういって、大好物の独特の香りのするフグの唐揚げの載った皿を置いていくのです。

 女将が言うには、これらの「つま」は、見た目にもよくすると同時に、ナマモノをいただくわけだから殺菌作用のあるもので、出されたものは「つま」でも食べなくてはいけないと、そして、はじかみなどは、次の料理のために、人かじりして、口直しをするのだと、そう言うのです。

 フグの唐揚げの濃厚な油が口の中に残っていてはてっちりも台無しになると言うのです。
 
 さて、茶碗の話ですが、私が中国に興味を持ち、大学で勉強を始めた頃、中国の人たちは洗面器でご飯を食べていました。
 あの大きな顔を洗う、洗面器です。
 そこに、ご飯を入れて、おかずを入れて、それで食べていたのです。
 
 中国に行って、列車に乗れば、中国の人たちは、蓋のできる瓶にお茶を入れて、飲むときには、その蓋を回して口を当ててお茶を飲んでいました。

 どれもこれも驚くと同時に、若い私は、この作法格好いいではないかと思ったりもしたものです。
 さすが、洗面器ではご飯を食べせんでしたが、桃屋の瓶詰めの何かを食べ終わったその瓶を丁寧に洗い、ぬるいお茶を入れてそれらしく飲んだことはありますが、さほどには定着はしませんでした。

 味噌汁を飲む「椀」とご飯を食べる「碗」の違いがわかりますか。

 木へんか石へんの違いです。
 味噌汁は木をくりぬいて作った「椀」で、ご飯は陶磁器で作られた「碗」なのです。
 作られた原料で字を違えているのです。

 そういえば、日本と中国、それぞれの英語名を小文字で表すと異なった意味になります。
 <japan>は「漆器」で、<china>は「磁気」です。

 アジアの2カ国はここでもお互いの個性を戦わせているようです。

 日本は中国からなんでも受け入れて、それを独自に自国のものとしてきたのです。
 ですから、日本人は「茶碗」でご飯を食べるって、中国の人がクスッと笑っても、欧米人が、Why do you have a meal with a tea bowl? って言っても、、それは日本人がそうしてきたからといえばいいのです。

 そしたら、先日、私の一番上の孫が、ご飯茶碗が割れちゃったから新しいのを買ってとラインで言ってきたのです。
 「ご飯茶碗」ねと、私、思わずにやけてしまったのです。





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落ちは……

おはようございます。
そういう落ちでした。

No title

落ちは妻かと思ったら孫できましたね。
いずれにしろ、なるほど!です。
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