巡らす思いと沈殿する懸念


木漏れ日が溢れる、樹木の中の道に入ると、気温がさっと下がります。肌でその心地よさを感じ、走り抜けて行くのです。暑さの中で、一陣の爽やかな風を感じながら。


 その日、mont-bell のリュックを背負って、mont-bell の半ズボンを穿いて、mont-bell の、つくば駅の近くにあるショップに私はいました。
 
 いや、腎臓の検査のために、腎臓を切除した病院に、残っているもう一つの腎臓が正常に機能しているのか、それをCTで検査するために病院に行った帰りだったんです。
 きっと、あの先生のことだから、骨や肺に、ガンが転移していないかも調べるはずです。

 実は、下垂体腺腫のその後の検査のため、一ヶ月ほど前、この病院の真向かいにある大学病院で、MRIでの検査をしたばかりだったのです。
 どちらも、血管から造影剤なるものを入れての検査です。
 MRI検査の時、冷たい液が血管を通して体内に入って来るのを感じた時、私、ちょっと嘔吐感を得たのです。でも、緊急ボタンを押すこともなく、我慢して、検査を終えたのですが、それが気になって、CT検査の前に、そのことを伝えたのです。

 看護師さん、患者さんから申告があれば、病院の内規で、医師に報告し、検査の可否を判断するということになると、また、しばらく待たされることになりました。
 もうすでに一時間も、私は病院の廊下の冷房の効きすぎた長椅子の上で待っているのです。

 半ズボンなど穿いてこなければよかったと後悔をしながら。

 MRIは、磁気を使ってその共鳴で検査をします。あのブワーンフワーンという音の中でうつらうつらしながら、検査は終わるのです。
 CTは、X線で行います。
 ですから、音はほとんどありませんし、うつらうつらする時間もないくらい、今回もさっと終わってしまいました。
 隣に、看護師さんがついて、私の様子をずっと見ていてくれました。

 検査結果は来週主治医のところに行ってなされます。

 さて、食事を制限していたので、病院内のコンビニでちょっとしたパンと、水をたくさん飲めというので、ペットボトルを三本買って、休憩室で食べて、外に出たのです。
 
 強烈な太陽が紫外線を降り注いできます。

 つくばを南北に貫く「公園通り」という広い歩道には人っ子一人いません。
 私は、その道を木陰のあるところあるところと道を選んで、とある大学のキャンパスを抜けて、ロケットの屹立する万博記念館のある公園の端を抜けて、つくばの駅に到着します。

 先だって、港で見たカヤックのクルージング、あれが気になって、私は mont-bell の店にやってきたのでした。
 そこには、カヤックが売り物として飾っていたのを知っていたからです。

 私の車には、ルーフに荷物をおけるように荷台がつけられています。そこに、カヤックを乗せれば、川や湖にカヤックを運んで行くことができます。
 また、港に停泊させている船にカヤックを繋げてもいいと思っているのです。
 
 私がカヤックを置いてあるコーナーを色々と見ていると、若い女店員の方が声をかけてきました。
 この他にもパンフレットがありますから、お持ちしますというのです。
 そして、そのパンフレットを持ってきてくれました。
 これを参考になさって、ここにないもので、お気に入りのものがあるかもしれませんからと、親切に言ってくれました。

 私は、パドルや、カヤック用のライフジャケット、それに、スプレースカート、これは、カヤックの中に水が入り込まないようにするものですが、それなどを入れれば、結構な値段になるなと大まかな計算をしながら、とりあえず、カヤックとパドルがあれば、なんとかなると、それ以外の備品はおいおい整えていけばいいし、釣りや船で使っている備品で代用できるものも多々あると一人で思いを巡らしていたのです。

 買えない金額ではない。

 でも、あなた、カヤックを積んで、どこへ行くの、そんな時間があるの。
 船に繋ぐって言ったて、天候の悪い日、風の強い日はどうするの。
 
 今度は、巡らす思いではなく、沈殿する懸念が押し寄せるのです。  
 
 まぁ、急がなくてもいいのです。
 研究をしていけば、自ずと道は開け、光明が見えることは、これまでの人生であまた経験してきたのです。

 私は、いただいたパンフレットをリュックにしまい込み、つくばのバス・ターミナルに急いだのでした。



自分らしさランキング

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

nkgwhiro

Author:nkgwhiro
ご訪問
ありがとうございます。

《 11/13 🍁 Tuesday 》
 
🦅ただいま、<Puboo!>にて、『一万年の憂愁』を発信しています。

<時の感覚というのは、実に不思議です。
縄文と弥生の人々が共存して、互いに文化を交流させている姿を思うことも、時には争いに発展することも、私は、想像をするのです。
さらには、世代間の違いにも思いをいたしたり、文化を異にする外国の地で、思いにふけったりもするのです。
人間なんて、人類の歴史から見れば、この世で活動する期間などわずかなものにすぎません。
しかし、そのわずかな時間でさえ、永遠に記録に残すことも可能なのです。
今回の作品はそうした意図を反映した作品なのです。>

下の[リンク]欄からアクセスして読むことができます。

❣️<Twitter>では、『ものかき』として、朝と晩『つくばの街であれこれ』の更新情報をつぶやいています。下の[リンク]欄からアクセスができます。

⏬下の[リンク]欄から、歴史小説『一門』『福明と李福』、旅行記『ポーツマスの旅』、また、<水彩画>など、<nkgwhiro>の創作活動にアクセスができます。  

皆様のアクセスを心よりお待ちしております。🙋‍♂️

リンク
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
フリーエリア