考えるキリギリス

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暑さを帯びた朝日が部屋の奥まで差し込んできます。この光が、飲みもしない酒瓶を徐々に照らして行くのです。やがて、部屋全体に光が満ち、朝の太陽を光源とするスポットライトは終わりを告げるのです。


 テレビやラジオで、あなたの借金戻ります、なんて宣伝が打たれています。
 それも、法律事務所が大々的に打っているのですから、どうなっているんだと密かに不思議に思っているんです。

 もちろん、コンビニにあるあのATM、とても便利ですから、私もカードを差し込んで、いくばくかの金銭を引き出したことがあります。
 利子が高いのかどうかなんて考えもせずに、もし、そうであっても便利さの代償だとたいして気にもせずにそうしていました。
 そんな折の支払った、あるいは、掛けられた利子が戻ってくるというのですから、これぞまさしく現代の錬金術だと思っているのですが、実際のところ、その仕組みがどうなっているのかはよくわからないのです。

 それと、月末が近づきますと、カード会社から、便利なリボ払いにしませんかと盛んにメールが届けられます。
 10万を支払うべきところを、リボ払いにして、月々の返済を少なくできるというのです。

 もともとある借金の残高より、毎月の支払額が減れば、それでとりあえずよしとすることを推奨しているのです。

 でも、私、どうもダメなのです。
 基本、カードで使った分は、その当月中に支払わないといけないという観念が強くあるのです。
 これ、どうやら私だけでなく、たいていの日本人が持っている傾向のようだと、先だって、経済新聞を読んでいてわかったのです。
 やはり、そうだったかという思いも当然ありましたが。

 日本人は、借金の残高を常に気にする性癖があるというのです。

 だから、カードのリボ払いが定着せず、カード会社の利益に繋がらない、それゆえ、月末になると低姿勢で、顧客にリボ払いにして、少し、利子を稼がせてくださいとメールがくるのだというのです。
 アメリカでは、それが反対で、借金の残高はさほど気にはせずに、当月の支払いが管理しやすければそれで良いとするあり方が一般的だと言います。

 それにもう一つ不思議なことがあります。
 日本政府は、企業に3%の賃上げを要求してきました。これ、もうかれこれ三、四年は経っていると思います。
 本来、労働組合がやるべきことを、政府がやるのですから、これこそ「ドップダウン賃上げ」という言葉がピタリと当てはまります。
 もちろん、これは取引ですから、政府は、そうしてくれたなら、法人税を控除すると人参を企業の前にぶら下げるのです。

 実は、それもこれも、労働者に消費を促すための施策であるのです。

 さぁ、キリギリスになって、いっぱいお金を使ってください。そうすれば、日本経済は上向きになるのですからと、そういう魂胆からなのです。

 決して、悪い政策ではないと思います。
 国民が、お金を使うことは、経済活動を促進することですから、政府の思惑は正しい経済政策であると思うのです。

 しかし、私がそうであるように、日本人は、政府の思惑通りには動かないのです。
 
 日本経済は今はまだいいが、中国の台頭により、将来的にこれまでの安定はおぼつかない、だったら、その時に備えて、少しは蓄えをしておかねばならないとか、ネット販売の全盛を迎えて、きっとこの商品はもう少し経てば、値下がりをするはずだという期待を抱き、消費を先送りするのです。

 さらには、新聞記事ばかりではなく、下段の広告欄にも、「長生きリスク」とか、「老後不安」の文字がこれでもかと出てきます。
 つまり、日本人は四方八方から、「将来不安」なるものを突きつけられて、閉塞状況に陥ってしまっているのです。 

 だから、一人一人の個人消費が伸びることなど、到底考えられない状況にあるのです。
 政府は、賃上げを要請するばかりではなく、中国ばりに、そのような言論を封殺する策に出ないといけないのですが、そうもいかないのが日本です。

 そんなわけですから、到底、日本人は、その日暮らしのキリギリスになどなれないのです。

 でも、最近の人たちの動きを見ていると、同じキリギリスでも、「考えるキリギリス」が出ていることに気がつきます。
 
 アリのように、日がな一日働くことを良しとするのではなく、自分の生活レベルを維持する働きと自分の生活の豊かさを維持する「考えるキリギリス」的あり方をうまく組み合わせている人たちです。

 バリバリと仕事をしている世代でも、一仕事を終えた世代でも、そういう方がいるのです。
 そういう人たちが、これから作り出す生活様式こそが日本の一般的なあり方になっていくのではないかと予想しているのです。

 世間の不安操作に惑わされずに、おのれの生き方を最優先して、精神的な満足感を求めていく生き方です。

 ほら、そこのあなたが行なっている生き方ですよ。





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Author:nkgwhiro
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《 11/13 🍁 Tuesday 》
 
🦅ただいま、<Puboo!>にて、『一万年の憂愁』を発信しています。

<時の感覚というのは、実に不思議です。
縄文と弥生の人々が共存して、互いに文化を交流させている姿を思うことも、時には争いに発展することも、私は、想像をするのです。
さらには、世代間の違いにも思いをいたしたり、文化を異にする外国の地で、思いにふけったりもするのです。
人間なんて、人類の歴史から見れば、この世で活動する期間などわずかなものにすぎません。
しかし、そのわずかな時間でさえ、永遠に記録に残すことも可能なのです。
今回の作品はそうした意図を反映した作品なのです。>

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