友の助言

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破船の群れー港の一角に、打ち捨てられた小舟、漁具が無造作に置かれていました。なんだか、切なくなりました。


 「お前さんのブログ、読んでいるよ」と、広告会社をやっている友人から、お盆のさなか、久方ぶりに電話がありました。

 この友人、なかなか気のおけない友なのです。
 若い時、私は随分と世話になったのです。

 熊本で親父さんが印刷所を経営していて、それを見ていたせいか、ゆくゆくは自分も会社を作って経営をしたいと、私などとは違って明確に目標を持っていた男なのです。

 「ところで、お前さんの文章とまったく同じ文章を別のサイトで見たんだけど、そっちもやっているの?」って今度は言うのです。

 あぁ、あのブログのことだなと、私思ったのです。
 実は、私の文章をまったくそのまま写しとって、それを掲載しているブログがあるんです。
 しかも、その方、私のサイトに日に二回も足跡を残していくんです。

 これって、あまり気分のいいものではありません。

 もちろん、事前に、何らかの通知をもらったわけでもありません、しかも、こっそりとやっていると言うわけでもないのです。
 だって、私のサイトに足跡を残していくのですから、当然、私もそれを目にします。

 いや、変な話、最初、ちょっと読んで、うまい文章だなって感心していたくらいだったんです。でも、よくよく見ると、これ、ついこの間『つくばの街であれこれ』で発信したものじゃないかって。

 その方のサイトを見て見ると、昨年の8月3日からそれが始まっています。
 何と、一年近くも、私の文章を盗んでいたということになります。
 当初は、私の記事を参考に、いやそうではなく、私の文章をかいつまんで掲載していたと言ったほうが正しいと思います。
 ところが、最近は丸ごと、表題も含めて、ペーストしているってな具合なんです。

 「そりゃ、お前さん、きちんと落とし前つけなきゃいけないよ。ブログというのにも、著作権があるんだよ。ブログばかりではない、人が作ったものすべてにそれはあるんだ。引用であれば、ルールに従ってすれば問題がないが、ペーストというのはひどい」って、声を荒げて言うのです。

 私、嬉しいな、こいつは本当にいつまで経ってもおいらの友人だと心の底から思ったのです。

 だって、気の弱い私が容易に言えないことをズバッと言ってくれるのですから。
 広告の仕事していると、著作権には随分と気を使うと言うのです。
 デザイナーにしろ、コピーライターにしろ、それに小説家だって、どのみち誰かの影響を受けて、それを作品にしているのだから、多少、似通ったものが出てくるのは往往にしてある。しかし、それを見過ごすととんでもないことになる。

 誰かのデザインを盗んだデザイナーが、一人その責任を負って、仕事がなくなればそれは自業自得だけれど、こちとら会社が責任問題で多額の賠償を請求されたら泣くに泣けない。
 従業員を路頭に迷わせることになるからねと、今度は経営者の声で、そう言うのです。

 著作者本人の承諾なしに、ブログで書かれた日記をコピーし、転載した場合、これね、明確に法律違反なんだよって、彼、私を責め立てるように言うんです。

 お前さん、知らないだろうが、それは著作権法10条1項1号に抵触するんだって。

 彼、この問題で結構大変な目にあったことがあるらしいんです。
 電話口で、ちょっと待ってね、いま、資料持ってくるからねと、その間、私、彼の奥さんと話をしたんです。

 今は、横浜のマンションから軽井沢の別荘に移動して、休暇を過ごしていると言います。
 涼しい軽井沢で羨ましいと言いますと、何を言いますか、船まで持って、そちらこそ羨ましいですと、なんだか、中産階級でもないのに、中産階級的会話をする羽目になってしまったのです。

 そして、彼が電話口に戻ってきました。
 いやね、こうした事例は結構あってね、おっ、あったと、きっと、その何かを探していて、それが見つかったようなのです。

 著作者本人の承諾なしに、つまり、お前さんの承諾を得ずにして、それをそいつのブログに載せれば、それはブログをコピー・転載する行為となり、無断でのコピーによる著作財産権としての「複製権」の侵害となるわけだ。
 で、著作者名を表記せずに転載すれば、著作人格権としての「氏名表示権」の侵害に当たることにもなる。
 この件での刑事上での罰則は、5年以下の懲役、もしくは500万以下の罰金だ。

 お前さん、金が入るかもしれんなって嬉しそうに言うのです。

 刑事でも十分だが、お前さんのことだから、そこまではしたくないなんて言うだろうが、そりゃダメだ。刑事が終わったら、今度は民事ではやらなくてはいけない。こういう奴は徹底的に叩くんだって息巻くんです。
 民事では差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求などで争うことができるぞ。民事もいくらか金取れるんじゃないかって、これまた楽しそうに言うのです。

 俺がいい弁護士を紹介するから、大船に乗った気でやれと、電話の向こうから肩を叩かれたような気がしたのです。

 でも、私の文章がごっそりそのまま写しとられているなんて、腹立ち以前にちょっとした優越感を持てて、嬉しい気もしていたのです。
 そんなことをちょっと言ったら、熊本生まれの友人、呆れ返って、そんなんじゃ、生き馬の目をも抜くビジネスの世界では生きていけないよって、呆れるんです。

 教師をやって、今、宅でせっせと文書を書いて、それを生活のたつきにしようとしている人間にとっては、これは許すまじ行為であるんだとあらためて友人からの電話で思った次第なのです。





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