894年の大英断

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夏の海岸べりに、大男があらわれた!
つくばにも彫刻があちらこちらにおかれています。こうした造形は道ゆく人の想像力を誘発してくれます。とてもいいセンスだと思っているのです。



 阿倍仲麻呂、遣唐留学生にして、玄宗皇帝に仕えた優秀なる人材。唐名晁衡(ちょうこう)。
 
 この大和の留学生、唐の都、洛陽の「太学」で学び、難関であった「科挙」の試験に合格を果たすのです。
 神亀2年、西暦725年には、司経局校書として任官したことがわかっています。
 司経局校書と言う役職は、唐王朝の典籍を扱う部署です。
 国家機密などにも目を通すことができる重要な役職に彼は採用されたのです。

 そのことだけでも、阿倍仲麻呂こと晁衡と言う大和の国の青年の優秀さがわかります。
 同時に、唐という国家の、外国人を重要職につける懐の広さにも気づくのです。

 歴史家たちは言います。
 中国においては、唐帝国に限らず明王朝でも、さらに、世界に目を向けては、ローマ帝国でも、オスマントルコでも、それに、かつて七つの海を制覇したと言われる大英帝国でも、帝国の最盛期には、自分たちの流儀を、統治の面でも、宗教上でも、言語でも、それを強要するということはなかったと言うのです。

 これらの帝国、とりわけ大英帝国に取って代わったアメリカ合衆国もまた、20世紀後半における世界に冠たる大国でありました。
 
 唐王朝がそうであったように、アメリカもまた、世界の各地から多くの人材を登用し、物品もまた流入を妨げることもなく、それがために、世界各地の風習まで幅広く受け入れてきたのです。アメリカ人はまさに度量の大きさを示してきたのです。

 換言すれば、大国のこの「寛容さ」が、その国をますます強大にしていったのです。
 大国というのはこの「寛容さ」があることで大国たり得たということです。

 アメリカが日本を占領下に置いた時、「ただ一人従順ならざる日本人」と言われた白洲次郎は、この時の占領を「最悪中の最善」と述べました。
 仮に、ソ連が日本を占領していたらと思うと、いまでも私はゾッとするのです。
 あるいは、連合国による分割統治などされていたら、日本はその豊かにして趣深い日本語を失い、それぞれの占領地域でロシア語を使わされ、あるいは、中国語を使わなくてはならなくなっていたのだと思うと、これまたゾッとするのです。

 ですから、白洲次郎の「最悪中の最善」という言葉が、実感として理解できるのです。

 アメリカは、日本を実にうまく占領し、アメリカに次ぐ、経済国家に仕上げていってくれたのです。もちろん、それはアメリカの占領政策ばかりによるものではありません。
 私たちの民族が、国を想い、国のために尽力する盛んなる意気を持っていたからなのです。

 唐の時代、唐を中心にして、東アジアには一大文化圏が形成されました。
 中国東北部の満州では渤海国が、朝鮮半島では高句麗と百済を駆逐した新羅国が、そして、東南アジアでは南詔国が勢力を振るい、繁栄を誇ったのです。

 日本とて、それは同様ですが、一つ違うのは、894年に、唐との交流を絶ったことでした。

 唐で発生した黄巣の反乱を見て、この国はもはや寛容ある大国ではなくなったと見て取ったのです。
 唐が滅ぶと、新羅もまた力を失い、高麗に滅ぼされます。渤海とて契丹に滅ぼされます。
 その中で、日本だけが国風文化の繁栄の中で独自の国のあり方を創造していったのです。
 我が国の歴史の中で「平安」と言われる時代です。
 
 今、日本はアメリカをトップとするグループの中に与しています。
 そこには、イギリスがあり、フランス、ドイツなど西欧の国々、それにオーストラリアやインドなどがあります。
 そして、敵対する側として、ロシアと中国があります。

 政治経済安保を考えれば、日本がアメリカのグループから抜け出ることは得策ではないことは明らかです。

 世界情勢の中で、この南北に細長い日本は、ロシアや中国からすれば、喉から手の出るくらい魅力ある国なのです。
 まず、その地理的環境がアメリカから自国を守る防波堤になってくれます。最前線基地をここにおいて、本隊を本国に置くに、これほど好都合な南北に細長い列島はないのです。
 そして、この列島には、人口が少なくなったとはいえ、優秀で勤勉な民族が暮らしています。この国民を陣営に組み込めば、大きな力になることは疑いのないことなのです。

 しかし、多くの日本国民はそうした手合いの手先になることをよしとはしません。

 むしろ、アメリカの陣営にとどまることを願うのです。
 しかし、そのアメリカが大国としての「寛容さ」を放棄したのなら、かつて、唐の圏内から抜け出したように、日本も何らかの手を打っていかねばならないと私は当然のごとく考えるのです

 今、アメリカが中国に対して、政経軍三面において攻撃を仕掛けています。
 ほどなく、中国はまいるはずです。
 当然、政経軍三面の攻撃でアメリカ自身も国力を削がれます。
 削がれるばかりではありません。
 その同盟国をないがしろにする政策で、国力を失っていくのは目に見えているのです。

 そうした時、日本の政治家に、894年の大英断を下す政治家が出てくるかどうかのなのです。

 いや、日本が列島に閉じこもって、かつてのように「平安」を迎えようと言っているのではないのです。
 何か、そう、あの時のように、日本独自の道を探し、邁進する方策です。

 それには、偉大な政治家が出てこなくてはいけないのです。
 さぁ、遠慮さらずに、出てきてくださいな。
 いま、志を持って世の中に出ていくお若い方々こそ、その中に、偉大な政治家がいるはずだと、私思っているんです。





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