髪は男の命

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我が宅の画廊に西日が差し込んで、飾られている作品に微妙な縞模様が。
おや、なかなかに味わいがあるではないかと。



 取手の学校にいるときのことでした。
 こんなことがあったのです。

 その先生、普段、小さな微粒の粉を頭に振りかけて、それで髪をボリュームをアップしていたのですが、ある日突然、そう、学年末の職員旅行の日でした。その日、その先生、ふさふさとした新品の、きっとあのメーカーの高額であろうカツラを頭にまとって来たのです。

 ご本人は何気なく振舞っているのですが、こちらは、目の行き所に困ってしまいました。
 その先生が一言何か、今日からヘアースタイルを変えましたとかなんとか言ってくれたならば、皆で笑って、なんとかその場を取り繕うこともできたのですが、そうではなかったので、私など、話をするにも、頭に目が行ってしまって、それはいかにも失礼だ、そう思えば思うほど、眼だけが頭に行ってしまうので、どうにも困ったということがあったのです。

 頭頂のはげをサイドの髪で覆い、それを頭を振って面白おかしく、どけたりして笑わす芸をする漫才師がいます。
 あれを見ていると、ちょっと悲しくなったりするのです。
 自らの禿頭を商売道具にしている哀れさ、そこまでしなくてはならないかと。
 そして、同じような髪形の人は、きっと、相当辛い思いで、その芸を見ているに違いないと同情までしてしまうのです。

 私は、父や祖父の遺伝からすれば、とっくに髪の毛を喪失して不思議はないのですが、おかげさまでなんとか持ちこたえています。
 同じ年代の人で、髪に白いものが増えたり、鬢のあたり、時には眉の毛に、その白いものがある人を見かけます。
 特に、眉に白いものが混じるというと、本当に老けたなぁと感じます。
 総理大臣も最近は髪に白いものが目立つようになり、苦労なさっているんだろうかと思ったりするのです。

 中国で失脚した政治家が裁判にかけられ、その際の写真をみると、一気に老け顔になっていたりします。
 <白毛女>ならぬ「白毛男」になっているので、これまたびっくりです。
 でも、中国ではほとんどの政治家が髪を染めて黒々とさせているといいますから、裁判で手ひどい目にあったというわけではなく、きっと、悪いことをした末路の哀れさをことさら強調するために、獄中で染めることを許可されなかったに違いないと推測しているのです。

 しかし、黒々とした髪が経年劣化するのは、それは致し方のないことです。

 最近は、坊主頭の人を多く見かけます。
 はげを隠すためというのが理由であると思います。あの漫才師のように、サイドの毛を伸ばして、それで頭頂を覆うよりは、サイドもバリカンで綺麗さっぱり削った方が良いとするでしょう。

 なかなか、好感が持てる方法だと思っているのです。

 坊主にすれば、散髪代もかからないし、シャンプーもさして使うこともありません。
 今流行りのコストパフォーマンス的には優れた髪形です。
 中には、髪は表情を隠す傾向があり、自分は正直に顔を相手に見せたいからと坊主にしているという若い経営者もいるということです。
 また、反対に、自己責任ですべてを決するために、覚悟の坊主というのもあるといいます。

 こうなると、髪の毛をなくす<坊主>というのは、まさに「哲学的」になってくるから不思議です。

 今度、坊主の青年に会うことがあったら、君は、コストパフォーマンスからそうなのか、それとも、覚悟を定めるためにそうなのかを聞いて見たいと思っているのです。

 先だって、画家の藤田嗣治の最も古い自画像が発見されたというニュースを見ました。
 藤田嗣治といえば、あのオカッパ頭で知られた方です。

 この画家、1913年にパリに渡った後、おかっぱ頭にしたと言います。
 その証拠となる自画像が発見されたのです。
 パリからアメリカに渡る友人に送った寄せ書きにそれが描かれていたことがそれを証明しているというのです。
 専門家は、藤田がフランスで自己存在を明確にするために、そして、絵を買ってくれるであろうフランス人に自分の印象をつけるために、そうしたというのです。

 若き日のイギリスの四人組がリーゼントをほぐし、髪を伸ばし、革ジャンを捨てて、スーツに変えて大成功をしたのも、思い切った方法だと思うのです。
 この四人組も、今ある髪とはまったく別物にするわけですから、勇気がいることでもあったと思うのです。

 そうそう、私、若い時、ご多分に洩れず髪を伸ばしていました。
 教師になるので、バッサリと切って、シチサンにしたのです。
 今、自宅で仕事をするようになって、髪をどうしているのかというと、ちょっと高級なバリカンを買って、自分でやっているんです。
 いや、坊主にしているのではありません。
 自分で自分の髪をカットしているのです。

 誠に器用なことだと、我ながら感心しているのです。

 バリカンにカセットをつけて、毛先を切り落とすのです。耳周りにはそれようのカセットをつけて、カットするんです。
 でも、これをするには必要は道具がもう一つあるのです。
 それは、毛染めクリームです。

 どうしてかっていいますと、夢中になってやっていると、カセットをはめるのを忘れて、バリカンをもろにして、頭に当ててしまうからです。
 十円玉のような円形脱毛症的ハゲではありません。
 見事に、さっと幅広の一文字の二分刈りの跡がつくのです。

 しばし、鏡を見て呆然、どうしようと思案します。そして、そのクリームを塗ってごまかすのです。

 家で仕事しているから済まされることではあります。私の髪には、どうやら、コストパフォーマンスも、ましてや哲学などというものはまったくないようです。
 
 いっそのこと、坊主頭にしてもいいのではないかと思案をしているところなのです。



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男はいつになっても頭の毛を気にするのですよね

ご無沙汰しています。
どこも同じです。
男の気持ちは決してわからないのだと思っているのです。
だから、私は自分でやるのです。
手慣れたもんです。
オックスフォードで床屋に行ったんですけれど、バリカンでサッサっとやって、
それで、三千円程度取られました。
あのくらいだったら、自分でもできるって、それで始めたんですけど。
目は後ろにありませんので、時たま、筋が入ってしまうんです。
それでは、失礼します。

読んでくれて ありがとうございます

作品を読んでくれてありがとうございます。

今年の夏は異常でした。
外に出ると、クラクラするので、相当、老いたかなと思ったのですが
そうではなく、あの40度に近い暑さです。

今年はヘビも一度も見ていません。
蚊に刺されて困ったということもありませんでした。

秋がひたひたと近づいてきています。
季節を楽しみたいと思っています。

では、失礼します。

No title

こんにちは。

「洒落た野次」拝見させていただきました。
コメントの書き方が分からず、こちらに書かせていただきました。m(__)m

校長先生のお話は「えらいさんあるある」ですね。(^^)

今年は蝉の鳴き声がないうちに真夏になっていたので、変な感覚でした。
夏休み後半になってやっと蝉が追いついてきたという感じでしたね。

嫁は無駄だと申しますが

還暦すぎると、頭の中央部が寂しくなります。
バーコードはチョットねぇ。
そこで床屋の大将と相談して、全体を短くすることにしました。
こうすると、中央部の薄毛を多少なりとも隠せるようになります。
月一度調髪しますが、その都度嫁は無駄だと申します。
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nkgwhiro

Author:nkgwhiro
ご訪問
ありがとうございます。

《 11/13 🍁 Tuesday 》
 
🦅ただいま、<Puboo!>にて、『一万年の憂愁』を発信しています。

<時の感覚というのは、実に不思議です。
縄文と弥生の人々が共存して、互いに文化を交流させている姿を思うことも、時には争いに発展することも、私は、想像をするのです。
さらには、世代間の違いにも思いをいたしたり、文化を異にする外国の地で、思いにふけったりもするのです。
人間なんて、人類の歴史から見れば、この世で活動する期間などわずかなものにすぎません。
しかし、そのわずかな時間でさえ、永遠に記録に残すことも可能なのです。
今回の作品はそうした意図を反映した作品なのです。>

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