まるで私と同じだ

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三連休の始まりは雨の朝です。
でも、つくばでは、このような景色が秋雨の時候にも見られます。
秋本番になれば、きっと、もっと、素晴らしい光景になるはずです。
だって、つくばは田舎ですから。



 バンクーバーからビクトリアへ渡る時、いつもフェリーを利用していました。

 いや、取手の学校にいた時の修学旅行の話なんです。
 ロッキー山脈を間近に控えたバンフからバンクーバーに戻り、そこから太平洋岸のビクトリアに向かう最後の行程になる旅です。
 引率する私たちも、ほっと一息できる船旅になります。

 でも、安心は禁物です。

 船中で、何かあれば、それこそ一大事です。
 ですから、大きな船のあちらこちらをぶらぶら歩きながら、生徒の様子を見ては、声をかけたり、休んでいる生徒の足元の荷物を整えたりしながら歩き回るのです。
 季節は秋も深まった初冬の頃ですから、あまりに寒くてデッキに出ている生徒も少ないのですが、それでも何人かは外へ出る元気者がいます。
 まさかとは思いますが、ふざけて海に落ちれば、とんでもないことになります。
 だから、分厚いコートを来て、何気に、デッキに出ては生徒の様子をうかがっていたのです。

 そんな活動をしていた私ですが、このフェリーのいたるところに貼ってある、あるポスターが、このフェリーの乗船するたびに気になっていました。

 それは、行方不明になっている少年少女を告知するポスターです。
 上下二段5人づつ、これだけの少年少女が行方不明になっているんだ、日本ならおおごとだけど、この国では、こうして、ポスターで顔写真が公開され、しかし、注意を払っているのは日本人の私だけ、カナダ人の多くは見向きもしない、そんな風に思ったのでした。

 先だって、タイで少年たちが洞窟に閉じ込められて、大騒ぎになりました。

 救助に当たった隊員1人が犠牲になりましたが、少年たちは全員が助かりました。
 助けられた少年たちは、タイ国民からも、いや、世界中の人たちから、救助されたことに対して安堵の声が寄せられました。
 でも、その後、この子たちの何人かに国籍がないことがわかりました。
 タイでは、そのような子が多いそうです。
 国籍がないということは、出生届がなされていないということです。
 あるいは、父や母がわからないということにも原因があるようです。とりわけ、国境近くで暮らす少数民族にその傾向があり、タイ全土で50万人はいるだろうということもこの一連の記事で知ったのです。

 あの広い国土を持つカナダであれだけ多くの子供がいなくなったり、タイでは国籍のない子がいたりと、子供にとっては何か辛いことがあったり、親の責任であたりまえのことがなされない子供がいることは不幸なことだと思うのです。

 ところが、先だって、新聞を見ていたら、本当に小さな記事がふと目に入りました。
 
 場所は日本です。
 所在不明の子がいるというのです。

 厚生労働省が発表しました。
 18歳未満で、28人が所在不明であるというのです。
 乳幼児健診を受診していないとか、就学児童の健康診断に来ていないとかが、この数字の出所です。そして、親による虐待が懸念されているのです。

 所在不明になっている28人は、就学前の乳幼児が13人、小学生4人、中学生6人、義務教育を終えた子どもが5人ということでした。
 このうち8人は3年以上、6人は4年以上、行方がつかめていないというのです。

 ひとごとではありません。
 乳飲み子が、あるいは、まだ一人では生きていけない子が、大人の仕打ちで姿をくらましてしまうのです。
 育児というのは確かに大変なことです。
 育児というのは、「仕事」ではないのです。そうではなくて、自分の全生存をかけて行う「崇高な義務」であるのです。

 今、家にいるGOKUを見ていると、ちょうどいたずら盛り、1日になんども母親から叱られています。
 姉と違って、GOKUの母は、言葉で子を抑えつけます。
 姉の方は、まったく叱りません。悪さをしても、笑顔でダメよと言うだけです。
 しかし、妹の方は、そうではありません。
 英語で、まくし立て、子をギャフンと言わせるのです。GOKUも黙ってはいません。いや、黙ったまま、言うことを聞かない方が多いようです。
 
 でも、数分後、GOKUは、さっきはごめんねと申し訳なさそうな表情になって、ママにすりよって行くのです。
 そして、ハグをして、母子はお互いを許し合うのです。
 
 いろいろな母子の関係があってもいいと思うのです。
 大人が子を思う気持ちは同じで、単に、方法や手段がちょっと違っているだけ。 

 GOKUは、母親の叱咤の中で、反抗したり、思いやりを示したりして行くのです。
 そうした一連の経緯の中で、きっと、GOKUは何かを掴み取っていると私は思っているのです。

 自転車に乗るのが苦手で、母親になんでそんなこともできないのと言われても泣かないし、でも、iPadを持たせれば、器用に指を動かして、いろいろな動画を見て、ゲームを楽しめるのです。
 人それぞれに持っているものがあります。
 きっと、GOKUは、運動ではなく、頭を使う方面で身を立てて行くのではないかと、その姿を見て思ったのでした。

 まるで、私と同じだと。



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