神のなせる業

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それは曇り空で寒い日でした
これが冬なんだと
気分も滅入ってしまうほどでした
ところが夕方遅く
西の空が割れたのです
そこに陽の光がまるで神の力がそこにあるかのように
差し込んできたのです
この日以来
つくばは陽の光に占拠されているのです



 ショッキングな浮世絵を見てしまいました。
 
 葛飾北斎の「凱風快晴」。
 ご存知ですよね。
 青い空に、たなびく幾重の白い雲、麓の樹林の濃い緑、鮮やかな緑の富士の裾野。
 何より印象的なのは、雪を頂上にいただく赤い富士です。

 その浮世絵に、なんと、4本もの電信柱と、それをつなぐ電線が、さらに念のいったことに数羽のカラスまで描かれているのです。 

 現代の日本では、凱風快晴の富士もかくありきだと、ショックを受けたのです。

 ショックといえば、忘れられない思い出があります。
 1963年11月23日の朝の出来事です。

 父が私を揺すって起こしてくれます。
 アメリカからの宇宙放送(当時は衛星放送ではなく、こう言っていたのです)があるから、それを見るためにいつもより朝早くに起きるからです。
 予定では、ケネディ大統領のメッセージが放送されるはずでした。
 しかし、放送されたのは、ダラスで暗殺されたと言う大きな事件を報道するものでした。

 あの時、私、宇宙放送が特別なものではなくなくなるなら、きっと、私の竹ノ塚の家の周りに張り巡らされた電信柱と電線もきっとなくなり、凧揚げも思うようにできると思ったものでした。
 ところが、あれから何十年も経つのに、ロンドンではすっかり電信柱がなくなっているのに、シンガポールだって、そうなのに、東京はまだそうなっていないって、今度はガッカリして、それなりのショックを受けているのです。

 近代日本最後の国内戦争としての西南戦争。
 あの西郷をいただく士族の新政府に抗する大きな戦いです。あの戦争を新政府軍が勝つことができたのは、何も武器の優劣にばかりあるのではありません。

 速やかな軍の派遣と配置、そのための輸送力と、それに、電信だと言うのです。

 明治政府は、東京長崎間に電信を設備していたのです。
 電信柱を打ち立て、電線を張り巡らして、鹿児島の動きを逐一電信で東京に送り、東京はそれを元に、軍の移動、配置を速やかに行ったのです。
 
 西郷の乱のちょっと前、福岡で神風連の乱と言うのがありました。
 新政府に異を唱える者たちは、熊本にあった鎮台を攻撃し、司令官を殺害します。司令官の奥方であった芸者の小勝は、なんとか難を逃れますが、行った先は電信局でした。
 ダンナハイケナイ ワタシハテキズ(旦那はいけない 私は手傷)
 これを東京の親元に発信したと言うのですから、無粋は知りつつも笑ってしまいます。

 ともかく、明治政府は電信柱を立たせまくって、日本中を網羅し、中央集権の基盤を作り、さらに、長崎釜山間にも海底ケーブルを敷設し、アジアに出て行くのです。
 イギリスなどは、その莫大な国力を背景に、全世界を海底ケーブルで結び、世界に覇権を唱えるのですから、その威力は想像を絶することは、論を待ちません。

 しかし、何事にもプラスもあればマイナスもあります。

 情報は秘密にすることもできますし、それを盗み取ることもできるのです。
 日本が真珠湾攻撃をする時、東京ワシントン間の電信はアメリカ政府にことごとく傍受されていました。そればかりではなく、日本政府の暗号も解読されていたのです。

 アメリカ人はことあるごとに、リメンバー・パールハーバーと言いますが、それを言わなくてはならないのは、私たち日本なのです。
 アメリカ政府は、知っていて、日本に先に手を出させて、国論を動かしたのですから。

 それにしても、日本人というのは、本当に人がいいと思います。

 ミッドウェイだって、アメリカが「ミッドウエイ島には真水が不足している」とフェイク・ニュースを発信し、人の良い日本軍は、「AFは水不足」と打ち返すのですから、すぐに、そこがミッドウェイ だとわかり、アメリカ海軍は日本海軍機動部隊を待ち伏せし、そのため、日本は空母四隻を撃沈させられてしまうのです。
 
 この電信機、実は、あのペリー提督が幕府に二台献上し、しかも、実演をして見せています。
 でも、いかなる仕組みでそうなるのか、それが何の役に立つのかは、当座はわからなかったようなのです。
 しかし、新政府はそのすごさを理解し、早速、東京と外国人が沢山いる横浜、そして、長崎との間に電信を敷設し、あの西南戦争に勝ったというわけなのです。

 ですから、今、話題の5G、この「敷設」に、世界が躍起になっているのは、次の世紀の覇権を握るか否かがかかっているからなのです。
 アメリカを中心にするヨーロッパ、オセアニア、それに、日本が、中国の5Gを追い出しているのは、これからの世紀を中国に一方的に牛耳られたくはないということなのです。

 まさに、真剣勝負なのです。

 そうそう、モールスと言う、あのモールス信号を開発した技術者が、1844年に商業電信を始めました。
 その時、実験で発信した言葉。
 これがイカしているんです。
 
 「神のなせる業(What hath God wrought)」って言うんですから。
 
 その「神のなせる5G」、それが作る新しい画期的な時代が、私は、早く来ないかって思っているんです。
 しかも、人の秘密を盗んだり、管理したりせずに、真に人間的に、幸福になる「神のなせる5G」として。



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つくばは田舎です。まごうことなき日本の田舎です。
しかし、ただの田舎ではありません。
そこには、ただならぬ人々がうごめき、息づかいをしているのです。
そして、世界へと大きく開く扉があるのです。
そんな私のつくばへの思いを綴りました。


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