圧縮された時間

cbvmhravjhrbfy24


 梅雨の晴れ間の
 午後のひととき
 揚羽の蝶が
 レモンの木の枝に
 ゆっくりと羽を
 動かして
 私を見つめます
 しっかりとやっていますかって
 そんなことを言うのです




 時の流れというものは、その経過とともに、圧縮されていく、というのは事実であると確かに納得するのです。

 だって、たかだか、十二年前のことが、ついこのあいだのことのように思えてならないからなのです。

 今年は2019年、令和元年です。
 十二年前といえば、2007年、平成19年のことになります。

 個人的には随分と変貌を負わされた年でした。

 取手の学校での騒動から逃れて、私は、土浦の学校に移って、二年が経過していました。
 下の娘が、茅ヶ崎の美容室での仕事をやめて、オーストラリアに行くと言いだし、それを見送ったのも、この頃でした。
 取手の学校を辞めた退職金で、家のローンを全額返済し、随分と生活が楽になったと感じていたのも、この頃でした。

 そうそう、『風の島』を自費出版したのも、この頃でした。

 良いこともそうでないことも私の周辺で、圧倒的な力でもって、押し寄せてきていたのです。
 私にとっては、人生の中で、文字通りの激動の時代であったのです。

 そもそも、なんで十二年前という中途半端な数字に思い至ったかということですが、実は、6月の首相の記者会見での言葉を聞いたからなのです。

 そうか、十二年前、夏の参院選で、彼は第一次政権のもとで、選挙に敗れて、政権を失ったんだって。

 首相の悔やんでも悔やみきれないと述べる言葉とは裏腹に、私は、十二年前、貴重な体験をさせていただいたんだととそんなことを思い起こしていたのです。

 そして、もう一つ、時の流れが、時の経過とともに圧縮される事例を私は、思い起こしているのです。

 十二年前の2007年、アメリカで、ジョブスという青年実業家が、手のひらに小さなカードのようなものを掲げて、それで電話もできるし、音楽も聞くことができるとやりました。

 ワイシャツの胸のポケットに入れることのできるこれって、ソニーのウオークマンより使い勝手が良さそうだということで、ちょっと興奮していたことが脳裏に浮かび上がってきたのです。

 もちろん、まだ、ネットなど影も形もなく、私は、書店で、その手の雑誌を立ち読みしながら、ジョブズの手のひらに収められた初代iPhoneを見ていたはずです。

 我が宅の、ガラス扉のある書架の中に、鎮座するそれはiPhone3Gと言うものです。

 歴史的骨董品、しかも、電源を入れれば、それは動くと言う代物です。
 2007年、ジョブズが掲げた初代iPhoneは、残念ながら、日本では発売されませんでした。日本の通信基盤が整っていなかったに違いありません。
 それだけ、画期的なそれは発明品であったのです。

 翌2008年、この3Gが日本に入ってきます。
 しかも、アプリなるものが使えるようになって、私は、いち早く、それを手にして、きっと、誰彼構わず、自慢をしていたに違いありません。

 今、私は、あれから何台のiPhoneを手にしては、新しいものに代えていったのかがわからないほどです。
 そして、今私の手元にあるのは、XS Maxと言う歴代もっとも大きなそれです。
 
 そして、今、今年九月に正式にリリースされるOSをすでに、私は取り込んでいるのです。

 ですから、XS Maxは少々トラブルを抱えながらも、新しいAppleのOSを一足先に享受していると言うわけなのです。

 ロードバイクで走るときに使う、サイクルメーターは少々トラブルを抱えていますが、そう言う時は、一代前のSEが代役をしてくれます。
 だから、日常生活になんら問題はなく、一方で最新のOSを楽しむと言うことを享受していると言うわけなのです。

 それにしても、この十二年の間に、時代は大変貌を遂げました。

 それもこのiPhoneが大いに関与しているのです。
 オバマが黒人初のアメリカ大統領になったのも、アラブの春も、香港の政策を通すことを許さなかった大規模デモも、皆、iPhoneとともに構築されたネットのおかげなのだと思えるからです。

 もちろん、反局面も見られます。
 中国がネットを使い、自国のスマホを開発し、世界に脅威を与えることも、戦争状態に法的にはあるアメリカと北朝鮮のトップがツイッターのつぶやきで板門店で会うことも、可能になっているのです。

 手のひらに乗るそれはもはや高性能のコンピューターであり、世界を変えるにたる政治経済の道具となっているのです。

 かつて、フランスで、アメリカで、市民たちが支配者を駆逐し、自由、平等、博愛を掲げた革命は、多少とも血を流すことは避けられませんでしたが、今は、血を流さずに、時代を変える力を人々が守ることになったのです。

 そんな時代の変貌も、思い起こせば、たった十二年の時の中での変貌だったんだと。

 そんなことを思えば、今を生きる現代人にとって、この圧縮された時間はなんらの説明も要さずに理解できることであると思っているのです。

 私は、iPhoneの新しい、まだ、正式にはリリースされていないOSを指で操作して、まさにちょっと未来を垣間見ているのです。



自分らしさランキング

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

nkgwhiro

Author:nkgwhiro
ご訪問
ありがとうございます

《7 / 23 🍙 Tuesday 》
 
🦅 ただいま、<カクヨム>にて『我が宅は埴生の宿なり』を発信しています。

 ささやかなる宿なれど 
  そは我が生涯のある証 



 何世代にもわたって、その地に根を下ろすのもよし、たった一代、好き勝手に人生の一時期を過ごすのもまたよしとおもうのです。

 故郷とか、家というのは、実に、はかない、せつない、たよりないものであるのです。

 でも、こころのどこかに、人の思いを感じることのできるそんな場所でもあるのです。
 だから、人は、その狭い空間に、はかなさ、せつなさ、たよりなさのほかに、懐かしさを感じ、時空を超越した感情を託すことができるのです。
 
下のリンク欄、一番上の<カクヨム>をクリックしてください。


【nkgwhiroの活動】

💝 <Twitter>で、『ものかき』として、朝と晩『つくばの街であれこれ』と題して、つぶやいています。こちらもよろしくお願いします。 

                                            💝 <Amazon・Kindle>で書籍の販売を始めました。7月28日、第一弾『一日千秋ーある日ちあきと』が配信開始になります。ただいま、予約受付中です。こちらもよろしくお願いします。値段は3ドル換算日本円になります。
 

リンク
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
フリーエリア