キャベツの葉っぱにされてたまるか 

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工業団地なる場所が、つくばにはあります。前日、ロードバイクで出かけ、あまりに紅葉が綺麗だからと、我が家のワンちゃんを連れて出かけて行きました。ちょうど昼休みで、作業服姿の方々が、昼の散歩を楽しんでいました。その中を、我が家のコーギーちゃんは思う存分走り回りました。犬にも、雑木林の華やかな彩りは嬉しいようでした。


 ネットで、文章を発している私です。
 いかほどの力もあるわけではないのですが、一人の人間として、自由に意見を表明できる幸福感を、日本という国ではかみしめることができていると、大いに満足をしているのです。

 多くの方々が、四百字原稿用紙にして、五枚から六枚のボリュームの記事を読んで、見てくださることにも、私はこの上ない幸福感を見出しているのです。
 同時に、私も、個性ある独自の見解を披瀝なさって居る方の文章を読めることに対しても、仮に、それが自分の意見とは異なっていても読めることにも幸福感を感じているのです。

 世界には、今私が享受している幸福感を享受できない国があります。
 私は、そんな国にあっても、私と同じような幸福を求める人が居ると確信して居るのです。

 さて、そのような国にあって、<同じような光景>を見るということがあります。

 どんな<光景>かと言いますと、権力に抵抗して、一旦は気勢を揚げるも、しばらくすると、頭を下げて、己の罪を悔い改めるというあの光景です。

 何年か前の話です。「民主の村」という村がありました。
 もちろん、中国でのことです。
 広東省の烏坎村での出来事です。
 直接選挙で村長を選び、省の介入をことごとく阻んで、国際ニュースにも取り上げられたあの村のことです。

 もしかしたら、中国は、草の根レベルで、民主化へと大きく歩を進めるかもしれないと淡い期待を持たせてくれた村でしたが、案の定、権力の介入がありました。
 なんと、あの村長、林祖恋とか言いましたか、収賄で逮捕され、禁錮3年の判決を受けたというのです。
 当局は、これは弾圧ではなく、個人による私有財産の不正なる獲得という破廉恥な事件であるとしたのです。
 そのことを印象付けるために、林祖恋が罪を告白するビデオまで公開したのです。

 でも、誰も、そんなことを信用してはいないことは、この国では公然の秘密であったことも書いておかなければなりません。

 先だって、「国家政権転覆扇動罪」というたいそう恐ろしい罪で捉えられていた、俗に言う、<人権派弁護士>の江天勇に判決が下されました。
 判決を下したのは、毛沢東にゆかりのある湖南省長沙市の中級人民法院です。
 日本で言えば、地方裁判所です。
 判決の内容は、有罪で、懲役2年、公民権剥奪3年の実刑判決です。  

 これについても、裁判所は、公判の動画を公開し、上級裁判所に控訴しない江天勇の言を公開しました。
 しかし、今回も、江天勇は、己の罪を認めたのだと言うわけには行きませんでした。

 なぜなら、アメリカに居を移した江天勇の妻が声明を出したからです。

 <夫は無実である。拷問と脅しによって、彼は罪を認めただけである>としたのです。
 もちろん、この言葉は、国際社会に発せられたもので、中国国内で民主的に発言が報道されることはありませんでした。

  今、習近平は、2035年に向けて、いくつかの政策の実現を目指しています。
 「一帯一路」政策で、歴史的な偉業を後世に残さんとしています。
 「AI」を導入し、世界一のAI大国を目指すという、世界戦略を着々と前進させています。
 「クリーンエネルギー」の導入を図り、清く美しい国土の創造を図っています。
 「シェアリング・エコノミー」を実現し、新たな特色ある経済活動を展開しています。
 どれもうまくいけば、歴史的で、画期的な偉業となるに違いありません。

 そのために、習近平が重視するのが、国家としての強力な軍隊です。アメリカがそうであるように、空母艦隊を複数、維持運用し、世界の大洋に五星紅旗たなびく艦隊を派遣できる国家にしようと言うのです。

 そして、かつて、王朝が世界の使者を迎えたように、新しい宮殿を作ろうとしているのです。
 もちろん、共産党政権ですから、それは帝王が住まい、圧倒的な威厳を誇示するような宮殿ではありません。
 今ある北京、天津、さらには河北省といった広大な地域を国家の中心に据える「新首都圏構想」なるものです。
 これだけ聞くと、なんら文句のない壮大な計画で、中国らしいあり方であると、いちいち感心するばかりです。

 しかし、権力者というのは、己の想いに執心するばかりにとてつもない大切なものを忘れてしまうものです。
 いや、忘れてしまうのではなく、それを遂行するものたちの慢心で足をすくわれていくものなのです。
 とりわけ、長期政権になれば、官僚からそれが出てきます。
 また、強権政治を行う政権からも同じような慢心があらわれてくるのです。

 今回は、中国らしく、強権をもって、北京から重要度の低い企業や政府の機関、大学などを天津や河北省の中都市に移動させるというのです。

 私の暮らすつくばなどは、東京に集中した政府機関を移すということで街が作られ、政府の肝いりということもあり、かなり住みやすい街づくりがなされたとは思っているのですが、中国では、どうも、そうばかり言ってはいられないようなのです。

 中小経営の会社は、移動ともなれば経費がかかります。
 さらに、移動したことで売り上げが保てるか不安もあります。
 中小都市に移されることで、研究者や大学人は監視の強化がなされるのではないかと不安視をしているといいます。

 そして、最も重要なのが、農村の戸籍を持ち、都市で生活をすることを余儀なくされた何百万人という労働者たちなのです。
 北京の郊外にある彼らの住まい、あるいは、都市の一角に形成された彼らの居住区が無くされようとしているのです。
 しかも、慢心に満ちた言葉が役人から発せられたというのです。

 「これら不法な居住区をキャベツの葉を剥くように取り除く」と。

 北朝鮮の人々は、権力の高圧的な取締りで有無も言わせない環境下にありますが、ネット社会が張り巡らされた中国では、そうもいきません。
 これが引き金になり、戸籍で差別され、人手が必要な時は体良く使われ、そうでなくなれば、あっちへいけと追い出されることに、俺たちはキャベツの要らなくなった葉っぱではないと声が上がっているのです。
 あの民主の村の村長や人権派弁護士のように、自分たちは間違いでしたと、しばらくして、習近平の指示に従いますと頭を下げるのどうかはなんとも言えません。

 それとも、ネット民の心意気で、徹底抗戦をするのか、見ものです。

 もう、いい加減に、中国人民も、当たり障りのない生活に満足するのではなく、悠久の歴史の中で、あなた方の先祖がしてきたように、己れの精神の解放を意図して立ち上がる時だと思うのです。

 ネットというのは、生活を便利にするだけではなく、現代において、自らの意見を開陳し、より良い世界を構築するためのツールなのです。
 それを、便利さだけ、利益だけ、利己的野心に用いるのではなく、純粋なる解放、自由なる精神の高揚に用いるべきなのです。

 中国のネット民よ、立ち上がれ!




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コメントありがとうございます

こんばんは。
私も、中国を勉強して来ました。
1978年、訪中した時の、あの時の中国とは、ずいぶんと変わってしまいました。
あまりに強くなり、横暴な政権で、怖くなります。
これからも、好きな中国の文学、文化を通して、考察していきたいと思っています。

No title

こんにちは!
色々なことを耳にしますが、いかなる国でも権力者・権力者側だけでの政策は犠牲を伴うように思っています。権力者は万能ではありません。
中国物に関係している人間としては良い国になって欲しいと思うのですね。
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